【都庁の採用試験対策ガイド】都庁職員になるには?【1類A・B、新方式・キャリア】

都庁の採用試験対策ガイド

元都職員のイクロです。

この記事では、都庁職員になるにはどのような対策をすればよいかを網羅的にまとめました。教養択一・専門記述・教養論文の勉強方法、採用面接の対策方法、そして社会人から都庁への転職や一度落ちてしまった場合の再受験など、幅広いテーマに渡って9つの記事で解説します。

都庁への就職を考えている方はぜひ参考にしてみてください。(主に1類Bを中心にしつつ、1類Aや新方式も視野に入れて解説しています。)

都庁の採用試験の概要

都庁には主に6つの採用枠があります。以下でそれぞれの概要を解説します。

1類B(一般方式)

1類B(一般方式)はもっとも採用数が多く、いわば都庁の「普通の受験枠」です。実際に事務職員の採用予定数を見てみると「1類A:40人、1類B一般方式:135人、1類B新方式:40人」となっています。(出典:試験・選考情報(令和2年度実施)|試験・選考情報|東京都職員採用

1類B(新方式)

1類B新方式は人物評価が中心の採用枠で、筆記のウェイトが低く、その代わり一般方式には無い「プレゼンテーション」の試験があります。

筆記試験は教養択一しか無いため、受験勉強に必要な時間は一般方式よりもかなり少なくなります。そのため、民間企業の就職活動と併願する人が多いです。

1類A

1類Aは大学院生・院卒性向けの試験で、1類Bよりも上の等級で入都することができます。具体的には、1類Bが入都5年目で主任試験の受験資格を得るのに対して、1類Aは入都3年目で受けることができます。つまり1類Bの3年目からスタートする形です。

採用試験の特徴としては、筆記試験の難易度が高いことが挙げられます。特に専門科目が難しく、ボリュームも1類Bより重いです。形式は5つの大問から1つを選び解答するものです。1類Bの専門と違い純粋な知識だけでなく意見を訊かれるような問題が出題されることもあります。このような比較的取り組みやすい問題を選択するのがよいでしょう。教養択一は1類Bと同レベルです。

キャリア採用

社会人経験のある方が都庁に転職する際に選択肢に入る採用枠です。職歴があることが前提に、特定分野における専門性を持つ人材が求められます。

ただ、採用枠が非常に少ないため、実際は社会人からの転職であっても1類の試験を受ける方が多いです。

2類

2類は特定の資格・免許を持っている方を主に対象とする採用枠です。令和2年度は「司書」と「栄養士」の募集がかけられています。

3類

3類は高卒の方を主な対象とした採用枠で、受験時に18~21歳の学年に属する方を対象とした採用試験です。

2類と異なり、職種は幅広く募集がかけられています。

都庁の教養択一対策

40題から成る択一式の試験で、都庁の採用試験の中でもっとも重要なものの一つです。なぜなら、この点数を基準にして足切りがおこなわれるからです。他の科目の点数がたとえ1位でも、教養択一がボーダーに1点足りないだけで足切りされてしまいます。

教養択一を突破するためには科目ごとの取捨選択など戦略が大事です。具体的な対策法は以下の記事で解説しています。

都庁の専門記述対策

都庁の専門記述は形式が独特です。一般的な公務員試験の専門科目が「10科目以上から出題される、選択式の試験」なのに対して、都庁は「10科目の中から3科目を選択して解答する、記述式の試験」です。

合格点を取るためには、対策科目の選び方や記述をこなすための論点暗記の方法などについて理解を深めた上で対策をするのが得策です。以下の記事で詳細に解説しています。

都庁の教養論文対策

1時間30分で1,000字から1,500字で解答する論文試験です。基本的な文章構成能力だけでなく、都政についての理解も求められます

ポイントは、都の課題意識や取組と方向性が一致した論を展開できること、そしてそのために都の情報発信をしっかりキャッチアップしておくことです。以下の記事で具体的に解説しています。

都庁の採用面接対策

一次試験(教養択一・専門記述・教養論文)を通過した人を対象にした面接試験です。倍率はそれほど高くなく、令和元年度の行政1類Bは797人が面接を受け403人が合格しており約1.9倍です。(出典:令和元年度職員採用試験(選考)実施状況

ただし、なぜ東京都を志望するのかや、自らの志向性がどのように都職員として役に立つかなど深く訊かれるケースが多いです。低倍率だとあなどらず、万全の準備で臨むことをおすすめします。対策方法は下記の記事で解説しています。

都庁への転職(1類採用とキャリア採用)

公務員というと新卒採用のイメージが一般的ですが、都庁には他の自治体や省庁、民間企業などから転職してくる人が相当数います

社会人から都庁に転職したいと思った時の選択肢は大枠として「1類採用」と「キャリア採用」の2種類があります。どちらが向いているかは人に拠るため見極めが重要です。詳しくは下記の記事をご覧ください。

都庁の採用試験の難易度は?

都庁の採用試験の難易度は、都庁専願か否かで大きく変わります。なぜなら、筆記試験の内容がかなり独特であるため、都庁に特化した対策ができるのか、一般的な公務員試験の形式に合わせた勉強も並行して進める必要があるのかによって、必要な勉強量に違いが生じるためです。詳しくは下記の記事で解説しています。

都庁と併願しやすいところは?

上述した通り都庁の試験形式は独特なので、他の公務員試験と併願しづらい事情があります。

しかし、だからといって都庁1つしか受けないというのもリスク管理の観点で非現実的です。そこで、下記の記事では都庁と併願しやすいところをピックアップして解説しました。

都庁に採用されるには予備校が近道

独学で都庁に合格することはできます。実際筆者の周りにもそのような方はたくさんいました。ただ、可能であれば予備校を利用した方が近道にはなります。その理由を4つに分けて、以下の記事で解説しています。

都庁に落ちた場合の再受験について

万が一都庁に落ちてしまった場合、諦めず翌年もチャレンジしたいという意欲を持つ方もいらっしゃると思います。そんな時に不安を覚えやすいのが、「一度落ちた人が再受験したら不利になるのでは?」ということではないでしょうか。

結論としては、基本的に不利にはなりません。以下の記事で、その点について解説しています。