元都職員のイクロです。
この記事では、都庁の受験生向けに教養試験対策(択一)について解説します。都庁の採用試験において教養択一は非常に重要です。正しい戦略を理解して、合格を勝ち取りましょう。
目次
都庁の教養択一でボーダーを下回ると足切りになる
都庁の受験生であればご存知の方が多いとは思いますが、都庁の教養択一にはボーダーラインが毎年設定され、それを下回ると他の試験の点数に関わらず足切りになってしまいます。
ボーダーラインは相対評価なので年により異なりますが、24 ~ 26 / 40になることが多いです。場合によっては30点などかなり高い水準になることもあります。
ここで足切りになると、いくら教養論文や専門記述が完璧でも問答無用で落とされるため、都庁の試験対策ではまず教養択一の準備を万全にすることが極めて重要です。
下記で、足切りを突破するための戦略について解説します。(前提として、ご自身が文系・理系どちらなのかや、元々の得意科目・不得意科目が何なのかによって戦略は異なってきます。ここで解説するのは一般論としての戦略なので、これをベースにしつつご自身に合うかたちでカスタマイズしていただくとよいと思います。)
教養の科目の配点
平成31年度、1類B一般方式、技術以外。出典:東京都職員採用
科目 | 出題数 |
数的推理(数的処理・空間概念) | 10 |
判断推理 | 2 |
資料解釈 | 4 |
文章理解 | 4 |
英文理解 | 4 |
歴史 | 1 |
文化 | 2 |
地理 | 1 |
法律 | 1 |
政治 | 1 |
経済 | 1 |
物理 | 1 |
化学 | 1 |
生物 | 1 |
地学 | 1 |
時事(社会事情) | 5 |
都庁の教養対策1. 資料解釈・文章理解・英文理解・判断推理は満点を狙う
都庁の教養択一の中で特に簡単なのが、資料解釈・文章理解・英文理解・判断推理です。以下でそれぞれ解説します。
資料解釈
資料解釈は細かいグラフなどが出てきて一見するととっつきづらいですが、実際に解いてみると非常に簡単です。基本的にはグラフや表に書いてある数値を素直に読み取るだけで正答できます。焦らず冷静に資料に当たれば十分満点を狙えるでしょう。
ただ、中には軽い引っ掛けがあったりします。なので、ある程度解法パターンは頭に入れた方が無難です。読み取りに自身がある方は、公務員試験の過去問をこなせば十分でしょう。もう少し丁寧な解説が欲しい場合は、メジャーな畑中敦子の資料解釈の最前線! をやればさらに安心です。
文章理解
文章理解に関しては対策は不要でしょう。なぜなら、専門知識も解法パターンの記憶もいらず、書いてある内容を純粋に読解すれば答えられる範囲だからです。都庁を受験されるみなさんの理解力をもってすれば、通常、満点を取れるはずです。
英文理解
英文理解も満点を狙いたい科目です。平易な文章で、大学受験などで英語をある程度勉強した経験がある方にとっては容易い問題です。
判断推理
判断推理は資料解釈・文章理解・英文と違い、満点を取るのに手間がかからない科目ではありません。たくさん問題を解いて、主要な解法パターンを網羅的に頭に入れる必要があります。
ただ、逆に言えればそれさえできれば十分満点を狙える科目です。理解系の科目の中では努力が報われやすいと言えます。
対策としては王道の畑中敦子の判断推理の新兵器! を使って解法パターンを頭に入れた上で、過去問で演習するのがよいでしょう。
都庁の教養対策2. 人文・社会・自然科学はメリハリが重要
人文・社会・自然科学は「確実に取る科目」と「完全に捨てる科目」のメリハリが重要です。
これらは各科目の中でさらに「歴史」「経済」「物理」などに分かれていきますが、それぞれ1問ずつ(人文科学のいずれかのみ2問)しか出題されません。つまり、その1問のためにある程度広い範囲に渡り勉強をする必要があり、なかなか大変です。
さらに、人文科学と自然科学は基本的に高校の授業の範囲から出題されます。なので、大学受験で使った科目なのかどうかで大きく習熟度に差がついていることが多いです。
以上を踏まえると、元々の得意科目は確実に点を取れるようバッチリ準備して、ほぼ学習したことが無い科目は2科目程度までなら完全に捨てた方が効率がよいと私は考えています。
文系ならば人文科学を万全にして自然科学は2科目ほど捨て、理系ならばその逆の対策をするのがおすすめです。例えば私は文系だったので、歴史・文化・地理は点が取れるよう対策をし、自然科学は生物と地学のみ勉強して化学と物理は捨てました。
社会科学の「法律」「政治」「経済」は公務員試験の専門科目の対策をしていればカバーできるので、文系・理系問わず点を取りたい部分です。
都庁の教養対策3. 差がつく数的推理に時間をかける
数的推理は都庁の教養試験の中でも差がつきやすく肝になる科目です。
公務員試験の受験生は文系が多いので、算数・数学的な問題である数的推理はそもそもとっつきづらく感じる方が大半でしょう。しかし、出題数が10 / 40もあるため、ここを落とすと合格はできません。
つまり、苦手意識があったとしても何とか克服して7割程度は得点できるようにしておく必要があります。そのため、早い時期からなるべく継続的に準備をし続けることをおすすめします。
対策方法は判断推理と同じです。畑中敦子の数的推理の大革命!で解法パターンを頭に入れて、過去問で演習します。
具体的には、畑中さんの本を一問ずつ解いていき、各問を下記の3つのステータスに分けます。
- 完璧にわかった(後日やってもまた正答できる自身がある)
- 一応解けたけど、後日取り組んでまた正答できるとは限らない
- 正答できなかった
それぞれわかりやすい印を本に書いておきましょう(1. = ◎、2. = ○、3. = ×、など)。そして、2週目、3週目とこなしていきます。その時、◎の問題は本番でも解けるものなので飛ばします。○と×のみを解いて、ステータスを上書きしていきます。
この方法だと、対策が必要な問題のみを重点的に解けるので効率がよいです。そして、最終的にすべての問題が◎になったら完了です。過去問演習に移りましょう。
都庁の教養対策4. 時事で拾える問題を確実に拾う
時事は他の科目と性質が異なります。他科目が標準的なテキストを完璧にできていれば満点を取れるのに対して、時事は何が出るか読み切ることはできず、どうしても満点は難しいです。
つまり、他の科目はテキストを見ながら解けば正答できるのに対して、時事はテキスト自体に載っていないことが問われる可能性があるということです。
しかし、これは他の受験生にとっても同様です。やれることをやって、拾える問題を拾えば十分です。
具体的には、予備校に通っている人は予備校の教材を暗記し、独学の人は速攻の時事で対策をしましょう。速攻の時事は毎年2月ごろに出版されるので、受験する年のバージョンが出たらすぐに買い、そこから対策を始めましょう。
上述した通り、試験本番ではテキストに載っていない問題が出るかもしれません。しかし、おおむね6~8割はとれるはずです。時事についてはそれで十分でしょう。
都庁の教養試験対策まとめ
都庁の教養試験対策について解説してきました。この記事を参考に、みなさんが足切り突破と最終合格を勝ち取ることを願っています。
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