元都職員のイクロです。
この記事では、都庁職員はエリートなのか?という点について元職員の目線から検討したいと思います。
エリートといっても色々な側面がありますが、例えば百科事典マイペディアは「権力,富,名誉,教養,安全などの社会的価値のピラミッドを考え,その頂点を占める社会集団」と説明しています。これを参考に、今回は下記の3点に注目して考えてみたいと思います。
- 名誉
- 教養(学歴を基準に考えます)
- 富(収入を基準に考えます)
先に結論をお伝えすると、私は都庁職員はエリートではないと考えています。正確には、ごく一般的な基準から見えればややエリート寄りではあるが、「都庁職員はエリートだ」と言い切れるほどではない、といったところでしょうか。
以下で詳しく解説していきます。
都庁職員はエリートか:名誉
名誉といっても明確に定義することは難しく、人によって感じ方はさまざまでしょう。そこで、ここでは何と比較されるのかという視点から考えてみたいと思います。
都庁職員は公務員です。そして、公務員といえば、区市町村や都道府県だけでなく、財務省や経済産業省などの中央省庁を思い起こす人も多いでしょう。
中央省庁は、昔からエリートの象徴とされてきた名誉ある職業のひとつです(最近は低迷気味ですが)。都庁が公務員という軸で中央省庁と比較され得る存在だとすれば、名誉という点でどうしても劣るのではないでしょうか。
例えば、質問投稿サイトのGoo知恵袋では下記のような投稿が見受けられます。
都庁職員=エリートでしょうか???
都庁職員=エリートでしょうか??? – Goo知恵袋
友人の結婚相手が都庁職員です。
本人はものすごいエリートと結婚できた。
と自慢してきます。
商社や財閥系企業、〇〇省勤務なら分かる気もしますが…
どうしても主観の域を出ませんが、少なくとも衆目の一致する見解として「都庁職員は名誉あるエリート職だ」と言い切ることはできないでしょう。
ちなみに筆者は早慶卒から都庁に入都しましたが、大学の同級生の反応は、可もなく不可もなくといったところでした。
都庁職員はエリートか:学歴
どの程度の学歴であればエリートと見なすかの基準は人により異なります。ただ、東京大学や京都大学などの旧帝国大学、ならびに一橋や東工大などの水準であれば、エリートと呼んでも否定する方は少ないのではないでしょうか。基準を下げたとしても、最低限、早稲田・慶應レベルは求められるでしょう。
このような基準で考えた場合、都庁職員はエリートとは言えないと思います。詳しくは下記の記事で解説していますが、ボリュームゾーンこそ早慶レベルであるものの、それ以下の大学出身の方も多いです。
都庁は採用の際に学歴をまったく考慮に入れないので、純粋に筆記試験と人物評価の点数が高い人が合格を得ます。学歴的なエリートに偏った組織とは言えないでしょう。
都庁職員はエリートか:収入
都庁に限らず、公務員の給与は民間企業の水準に合わせる形で設定されます。地方公務員の場合は役所が所在する自治体、国家公務員であれば全国の民間企業の給与を調査し、それとの差がなるべく小さくなるように検討されます。
都庁の場合は比較対象が都内の民間企業(企業規模・事業所規模が50人以上の中からランダムに抽出)になるので、公務員の中では比較的高くなります。しかし、それでも平成31年(令和元年)のデータでは平均年収約は665万円に留まります。(詳しくは下記の記事をご覧ください)
人材系企業の大手であるパーソルの調査によれば、40代の平均年収は507万円です。これと比較すれば、都庁職員の665万円は高いと言えるでしょう。
しかし、前述の定義でエリートが社会的価値のピラミッドの「頂点」を占めるとされる以上、507万円 vs 665万円程度の差では「都庁職員は収入面で考えるとエリートだ」と言えるレベルではないでしょう。
都庁職員はエリートか:まとめ
都庁職員はエリートかというテーマを、下記の3つの観点から考えてきました。
- 名誉
- 教養(学歴)
- 富(収入)
結論、都庁職員はエリートとは言えないというのが私の見解です。
しかし、エリートかどうかは置いておいて、都庁はとても意義がある魅力的な職場だと元職員として感じます。この記事が都庁への就職を考える参考になれば幸いです。