都庁職員の役職と昇進の仕組みを解説!【主事→主任→課長代理→管理職(課長→部長→局長→副知事)】

都庁職員の役職と昇進の仕組みを解説!【主事→主任→課長代理→管理職(課長→部長→局長→副知事)】

都庁志望・都庁内定者のみなさん、こんにちは。元都庁職員のイクロです。

この記事では、都庁の役職と昇進ついて解説します。

平職員から管理職までの道のりをイメージできるようになりましょう。

都庁の役職は7段階

都庁の行政職の職員は、下記の7つの段階に沿って昇進していきます。

  1. 主事
  2. 主任
  3. 課長代理
  4. 課長
  5. 部長
  6. 局長
  7. 副知事

以下で、それぞれの組織内での位置付けや昇進の条件などを解説していきます。

主事

主事は、名前に「主」と付くので一見するとリーダー的なポジションのような雰囲気もありますが、実際は入都してはじめに付く肩書きで、いわゆるヒラ職員です。

入都と同時に、新規採用職員全員が「主事に任命する」という辞令を受けます。

職場に配属されてから、1類B採用の場合は主事としての仕事を最低5年担当することになります。この間に、部署の仕事を概ね1~3年に1つずつ担当していき、現場の仕事を一通り理解することが求められます。

主任

入都から3年ないし5年目で、「主任試験」を受ける資格が得られます。この試験に合格すると、晴れて主任に昇任します。

※主任試験の受験資格は、1類B採用だと5年目、1類A採用だと3年目に与えられます。

主任は現場のチームリーダーのようなポジションで、担当職務を一通り経験しており、その内容を理解している人間という位置付けです。年齢は20代後半〜30歳前後で、一般企業でいうと中堅・若手の主力といったところでしょうか。

実は、都庁では「昇進したくない職員」がかなり多く、管理職には最初からなるつもりが無い人が多数派かもしれないくらいなのですが、この「主任」までは基本的に全ての人が昇進します。

さすがに50代で新卒と同じ「主事」の肩書きのままの職員はいないのですが、主任どまりの人はまれにおり、私が配属された部署でも主任として定年退職した方がいました。

課長代理

かつては係長という名前だった役職です。従来、都庁では局 – 部 – 課 – 係という組織図だったため、係の長が文字通り係長だったのですが、今は係から「担当」という名前に変わっており、この単位のリーダーが課長代理です。

課長代理という名前ですが、課長とは明確に立場の違いがあります。具体的には、課長からが都庁の「管理職」になりますが、課長代理は管理職ではありません

なので、課長代理が決裁権を持つ稟議は基本的にありません。本当に現場レベル(例えば部下の有給取得など)について許可を下せる権利があるのみです。

主任から課長代理への昇進は試験ではなく人事考査が根拠になります。したがって、主任試験ほど客観的な昇進基準があるわけではなく、普段の仕事ぶりが上司からどのように評価されているか、そして本人に昇進する意志があるかどうかで決まります。

課長(都庁の管理職はここから)

ここからが管理職です。実は都立学校の校長などもここに該当します。

都庁では、課長以上か否かでまったく扱いが変わります。なぜなら、管理職になることで権限や責任の大きさがかなり変わるからです。

課長代理までは、基本的に仕事の責任を自分でとるようなことはありません。仮に何か失敗をしてしまったとしても、最終的にその責任を被るのは管理職の上司です。

例えば、都民に対して情報を告知する冊子を大量に発行するとします。万が一その中に間違いがあったら、誤った情報を都民に伝えてしまうことになりますし、配布前に気づいたとしても大量の印刷物が無駄になったり、余計な修正コストが大幅にかかることになってしまいます。

そういった仕事を直接担当するのは管理職ではなく現場の職員です。ただし、発行までの過程で管理職は上がってきた稟議に決裁をします。それは、何かあったら決裁を下した管理職の責任になるということです。

なので、上の例では、冊子を担当した課の課長が謝罪をすることになります。

権限もやりがいも大きな一方、プレッシャーやストレスも強いので、実際のところ管理職を目指す職員はそれほど多くありません。私の肌感覚ですが、同期のうち半数以上は入都した時点で「将来は管理職になりたい」という意向を持っていなかったと思います。(職員全体に占める管理職の割合は、平成31年のデータだと7.2%)

逆に、実際に管理職選考を通り役職に就いている方々はそういった負担を十分に理解した上でそのポジションについている人達なので、責任感や精神的な強さ、また職員としての優秀さはかなり高いです。

なお、管理職になると残業代がつかなくなります。

部長

部という大きな単位の長です。都税事務所や建設事務所など、都立の出先施設の所長も部長に該当します。

都庁で部長といったら相当偉いです。ヒラの職員が直接関わる機会は多くありません。部長室も立派だったりします。

局長

部のさらに上にある局という非常に大きな組織単位のトップです。かなりの影響力を持ち、普通の職員から見ると雲の上の存在です。

局長は省庁の部長や区市町村の副知事(場合によっては首長)などと遜色ないレベルで大きな役割を担っています。都庁の中ではスーパーエリート中のスーパーエリートです。

副知事

東京都職員の最高峰です。東京都の副知事は4名と条例で定められており、都議会の同意を得て知事が任命します。

「知事」と名が着くので、都知事と同じく政治家が就く役職のように見えますが、基本的には行政職員が昇進の最高到達点としてなる立場です。知事に事故があると副知事が職務を代理する(地方自治法第152条)ため、権限は非常に大きいです。

2019年11月現在、東京都の副知事は下記の4名です。※1

  • 長谷川 明
    政策企画局長を経て副知事に。
  • 多羅尾 光睦
    青山学院大学卒業。港湾局長、生活文化局長、総務局長を経て副知事に。
  • 梶原 洋
    東京大学卒業。福祉保健局長、政策企画局長を経て副知事に。
  • 宮坂 学
    同志社大学卒業。ヤフー株式会社社長などを経て東京都の副知事に。

なお、副知事には知事を代理する際の順序があり、現職の4名の順序は下記の通りです。

  • 第一順位 副知事 長谷川 明
  • 第二順位 副知事 多羅尾 光睦
  • 第三順位 副知事 梶原 洋
  • 第四順位 副知事 宮坂 学
東京都政策企画局

本庁でも出先でも役職の扱いは同じ

「本庁か出先かで、同じ役職でも扱いに違いが出るのか」と気になる方もいらっしゃるかもしれません。

例えば、本庁の課長代理と出先事務所の課長なら、役職で見ると課長代理の方が下だけれど、本庁なので出先の課長よりも偉いのではないか、と。

結論を言えば、本庁でも出先でも役職が持つ意味は変わりません。課長は課長、課長代理は課長代理なので、上の例だと本庁の課長代理より出先の課長の方が上です。

そもそも、本庁と出先は基本的に行ったり来たりするものなので、本庁の管理職が出先に異動するのも普通のことです。そこに左遷という意味合いは無く、純粋に管轄の違いでしかありません。