公務員試験浪人の末路は?メリット・デメリットまとめ

公務員試験で浪人

元都職員のイクロです。

公務員試験で浪人を検討している方の中には「公務員浪人をしたら、末路はどうなるだろう…」と不安に思う方もいると思います。

しかし私は公務員浪人は悪くない選択肢だと思います。都庁の同期にも公務員浪人は何人もいました。

以下で、メリット・デメリットや実際に公務員浪人をする上でのポイントなどを解説していきます。

公務員試験で浪人しても採用で不利にはならない

まず、大学4年時の公務員試験に落ちて、卒業後就職せずに公務員試験を再受験しても、採用において不利になることは無いと思われます。なぜなら、制度的に「公務員浪人は何点減点」という仕組みを設けるとしたら、「なぜ公務員浪人が減点されるべきなのか」「減点数はどのように計算に基づくのか」ということに説明責任が発生しますが、それに万人が納得するような回答を用意することは難しいからです。

また、浪人する背景も様々でしょうから、一律に不利にしてしまうとある種差別的とも言えます。このあたりは医学部入試における浪人生への減点が問題視されたことにも近いと思います。

これらを考慮すると、行政が主体の試験で、制度として浪人が減点対象にされ不利になることは考えられません。

ただ、公務員浪人しているということも含めて面接官が人物評価することに変わりはないので、納得させられるだけの説明はできるように準備する必要があります。

公務員試験浪人のメリット:準備を万全にできる

言うまでもありませんが、公務員浪人をすると受験のための時間を確保しやすく、筆記・面接両方の対策を万全にできます

それに対して、最初から公務員試験を再受験するつもりで他の組織に就職する(いわば公務員試験の仮面浪人)をすると、就職後2~5ヶ月くらいの「新しい環境に適応することに精一杯な時期」に、公務員試験の本番を迎えることになります。単純に勉強時間を確保するのも大変ですし、メンタルのコントロールも難しいでしょう。

なので、公務員試験の仮面浪人は、「①筆記の対策を卒業までの学生期間にほぼ完璧にできる」「②他の職場に就職してからも公務員試験への緊張感を保ち続けるメンタルの強さがある」という条件が揃っている場合に取りうる選択肢です。そうでないなら、公務員浪人する方がよいと思います。

公務員試験浪人のデメリット:面接で回答が難しい質問をされる可能性がある

ただし、公務員浪人するデメリットもあります。それは、面接で回答が難しい質問をされる可能性があることです。

一度他の組織に就職して一年目に再度公務員試験を受ける場合、就職した組織には最初から短期的にしか在籍しないつもりで入るということです。これは新卒で入社した組織からすればどうしても迷惑にはなりますし、失礼と捉えられる可能性もあります。

そして、同様のことを公務員試験の面接官が感じることは十分考えられます。つまり、面接で、「今の会社には最初からすぐ辞めるつもりで入ったの?」「それは向こうに迷惑がかからない?」と厳しいツッコミを受け得ることを念頭に置く必要があります。

実際私の都庁の同期に一度他の自治体に入った後に都庁を再受験した人がいましたが、そういった質問を投げかけられたそうです。

では、どう回答すればよいでしょうか。これは正直、面接官との相性にも左右されると思います。しかし、下記の通り押さえるべきポイントは予測できます。

  1. そもそも何故そこまでしてその志望先にこだわっているのか
  2. 今働いている職場に迷惑ができるだけかからないような配慮や工夫はしたのか

以上について、理路整然と説明できることです。

1.は、今の職場にある程度迷惑をかけてしまっても仕方が無いと感じるくらいに、明確で説得力の強い志望動機があるということです。そうでないなら、単なるワガママと捉えられてしまうかもしれません。

2.については、確固たる志望動機があっても今の職場に少なからず迷惑がかかってしまうことに変わりありません。であれば、その迷惑を可能な限り小さくする努力はする方が望ましいです。そして、どのような配慮・工夫をしたのかをしっかり説明できれば、志望先の面接官が納得する可能性も上がると私は思います。

公務員試験浪人:まとめ

公務員浪人について解説してきました。それぞれ色々な事情があると思いますが、公務員浪人は悪くない選択肢です。この記事が公務員浪人をするかしないか決めることや、する場合の準備などに役立てば幸いです。