元都職員のイクロです。
この記事では都庁と国家公務員の違いについて、配属・年収・残業の観点から解説します。その上で、採用試験の難易度や両者の併願などについても説明します。
「都庁と国家公務員ならどっちがいいんだろう?」と考えている方は、この記事を読むことでそれぞれの違いがわかるようになります。
都庁と国家公務員の配属先の違い
都庁は職員数が知事部局・公営企業に限っても約4万人と非常に規模が大きく、国家の省庁と同じくらい巨大な組織です。
また、都内総生産は各国の国内総生産と比較しても上位にあたり、国家レベルの経済規模を誇る地域です。(このあたりのデータは下記の記事で解説しています。)
こう見ると都庁や都道府県の一つではあるものの実質的には国家の機関と似通った部分があるように思う方もいらっしゃると思います。
しかし、実際には都庁は良くも悪くも都道府県の一つに過ぎず、国家公務員として働くこととは違いがいくつもあります。
その一つが、配属先の違いです。
国家公務員は、総合職採用であれば基本的に本省勤務です。一般職は多くの場合出先(法務局など)に配属されますが、国家機関の一部であることもありそれなりに規模が大きいです。
しかし、都庁の場合は、出先に配属されるとかなり小規模の事務所で働く可能性があります。
例えば交通局の事務所や都立学校の事務室などは行政職員が数名程度で、「都庁」という響きとはかなりギャップがあります。
こうしたかなり「現場感」の強い配属になる可能性が少なからずあることが、都庁の国家公務員の違いの一つです。
なお、都庁の「現場配属」でもっともメジャーな学校の事務室については下記の記事で詳しく解説しています。
都庁と国家公務員の年収の違い
都庁の平均年収は平成31年4月時点で約665万円です。(詳しくは下記の記事で解説しています。)
それに対して国家公務員の年収は約728万円です。(「平成31年 国家公務員給与等実態調査」を元に「次席合格元県庁職員シュンの公務員塾」が算出)
つまり9%ほど国家公務員の方が高く、特に総合職の職員は平均値よりも高水準になるため、都庁職員よりも国家公務員の方が年収は高くなる傾向はあると言えるでしょう。
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