東京都庁と特別区での仕事の違い
東京都庁と特別区の違いは、職員として行う仕事にもあらわれます。以下で、「現場」仕事の違いと担当地域の違いという2つの観点から見ていきます。
「現場」仕事の違い
「現場」仕事を「都民・区民と直接関わる仕事」と定義すると、東京都でも特別区でもそのような仕事はたくさんあります。ただし、どちらがメインかという点では違いがあります。
東京都の場合、本庁勤務だと窓口業務を行う割合はかなり少ないです。どちらかというと、本庁舎のビルの中でデスクワークをすることが中心です。
一方、特別区の場合は、本庁勤務であっても窓口業務を行う職員はたくさんいます。みなさんも一般住民として市役所・区役所に事務手続きをしに行った経験があると思いますので、イメージはつきやすいのではないでしょうか。
(ただし、東京都であっても出先事務所の配属になると窓口業務の担当になることも珍しくありません。特に都税事務所や都立学校など、都民の方が日常的に訪れる場所だとその割合が高くなります。また、本庁勤務でも電話対応で直接都民の方に接遇するケースもあります。)
担当地域の違い
言うまでもなく、東京都庁は東京都全体・特別区は各区内を担当するため、地域の広さには大きな違いがあります。
これは、異動の選択肢の広さにも影響します。東京都の場合は、例えば千代田区の事務所に勤務していた人が奥多摩の事務所に異動になることもありえなくはありません(居住地は配属にあたり考慮される傾向は感じますが)。
さらに、小笠原諸島などの島しょ部に配属されると、もはや都心から日帰りできる距離ではありません。数日に一度の船でしか移動できないため、かなり都区とはかなり隔たりを感じるでしょう。
それに対して、特別区では出先も含めた職場がすべて区内にあるため、その気になれば歩いて一周できるような範囲の中で異動することになります。
職員として働くなら、どちらのスタイルが好みかはあらかじめ検討しておくことがおすすめです。
ネームバリューの違い
俗っぽい観点にはなりますが、職場としての東京都庁と特別区との比較だと、東京都庁の方がネームバリューがあるように感じる人も多いように思います。
これは、前述の組織規模の違い、ならびに「住民として感じる区役所・市役所の身近さ」のよるところが大きいでしょう。
職員の雰囲気の違い
元都庁職員で特別区の知人も複数いる私の個人的な感覚にはなりますが、特別区の方がいわゆる「いい人」が多いように思います。
都庁では、「公務員としては比較的ネームバリューがあるから、なんとなく憧れて入都した」というのが本音の職員も珍しくはありません。それに対して特別区の職員は、そういったネームバリューを気にしないで区役所を選んでいる方々なので、なんとなく穏やかでいい人が多い印象があります。
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